救急部 原 千明
HEMCに来てはや8か月、はじめてマンスリーヘムクを書きます、原ち―こと原千明です。原ちーと呼んでくれる方が増えてきて嬉しい今日この頃です。
8月12日より9月末までの約2か月間、神戸市宿泊療養施設ニチイへの往診診療を交代で行いましたので、その中で記憶に残った点をいくつか書こうと思います。
往診日 計22日、123名の療養者に対してのべ175回の診察を行ったそうです。私はまず往診初日に参加しましたが、なにより大事なのは感染予防、と思いつつ緊張して向かいました。頻繁にアルコール消毒を行い、防御服の乱れに敏感になり、としていると診察が終わる頃にはヘトヘトに疲れていました。2時すぎに施設を出ましたがお腹がペコペコで、療養者さん用のお弁当がとても美味しそうに見えました。(売店のお弁当よりよっぽどバランスよく豪華で美味しそうで、、1つ持って帰らせてくれないかな、とメンバーで話していましたがチャンスはなかったです、残念。)
往診で最も印象的であったのは、身体診察のみで判断しないといけない点です。
施設での診察で行うことができるのは問診・視診・聴診・触診のみ、器具はパルスオキシメーター・聴診器程度であり、すぐにレントゲンや血液検査を得られるHEMCとあまりに状況が異なるため戸惑いました。普段どれだけ検査結果に頼っているかを実感しましたし、乏しい診察結果をふまえて現場ですぐに方針を決定してくれた上級医の先生の偉大さを改めて感じました。
そして診察のメインは患者さんの不安を傾聴することであったと思います。1人で部屋に隔離され、いつ退所できるか不透明で、悪化しないか不安で、COVID-19感染症は身体的だけでなく心理的負担があまりにも大きい病気であると改めて感じました。
COVID-19の診察の他にも、なんと紙カルテ記載・処方も初めて行い(ベテランの医療者の方々の慣れていらっしゃること!)、普段の診療では関わることのない医療を経験させていただきました。ありがとうございました。COVID-19流行が収まり、また以前のように心置きなく楽しむことができる日が戻りますように。
COVID-19の診察の他にも、なんと紙カルテ記載・処方も初めて行い(ベテランの医療者の方々の慣れていらっしゃること!)、普段の診療では関わることのない医療を経験させていただきました。ありがとうございました。COVID-19流行が収まり、また以前のように心置きなく楽しむことができる日が戻りますように。