HEMC Reports

2016年6月:伊勢志摩サミット救護班活動報告

放射線課 上江 孝典

HEMCの皆様、お疲れ様です。放射線課の上江です。H28年5月24日~5月28日まで、三重県伊勢志摩で開かれた、伊勢志摩サミット2016の会場、賢島から一番近い災害拠点病院、県立志摩病院に災害救護班として派遣させて頂いたので報告します。

まず初めに派遣メンバーを紹介します。医師2名:中山センター長、川瀬副センター長、看護師2名:得能係長(前半)山本師長(後半)ロジ1名:上江で構成されました。メンバーのVIPさに派遣前から怖じ気づいていました(泣)。 サミットの約1か月前より、中山センター長が県立志摩病院に参集する4チーム(藤沢市民病院・京都第一日赤・大阪医療センター)のリーダーという事もあり、サミット当日まで、ロジとして資機材の調整・衛星電話・日赤無線の設置計画など極秘ミッションに参加する事ができ、普段経験する事が出来ない仕事をさせて頂き事前準備の重要性を再認識しました。

サミット派遣当日、11:30に病院に集合し。12:00に伊勢志摩に向けて出発!!経路は摩耶インターから名神~新名神と快調に走り、途中土山SAで休憩し川瀬Drと運転手を交代し、16:40サン浦島・悠季の里に到着しました。

ここは賢島から1時間弱はかかる鳥羽市にありましたが、さすがここも風光明媚な観光地、宿は海沿いの山の斜面に建つ立派なお宿でした。

2日目サミットに伴い警察の検問による到着遅延が考えられたので、7:15にホテルを出発したのですが、各関所では警察官が検問はしていましたが、救急車両という事もあり全く停められる事無くスムーズに8:00には到着しました。

病院到着後まず、院長はじめ病院スタッフと挨拶を行いました。

病院での活動内容は、病院内の地下1階にある会議室を借りて、中山センター長を本部長とし参集チーム4チームで本部立ち上げを行いました。通信関係は有事に備え、今回は衛星通信はJAXA保有の可搬型地球局VSAT(高速衛星通信)を使用し、無線網は、三重県の防災無線と、また日赤無線を使用し伊勢側と志摩側を繋ぐ為に今回ROIP(無線をインターネット経由で飛ばす機械)を使用し有事に備え通信チェックをしていました。

具体的な任務は、サミット関係者にけが人や急病人が出た場合、近隣の病院に搬入されると、一般診療にも支障をあたえてしまう為、サミット関係者の診療はサミット救護班で行い拠点病院への負担を軽減させる為のミッションでした。

当初の予想を反して、診療を開始すると患者が3人続けて来てしまい初動体制では、いきなりばたばたしましたが、中山センター長の適確な指令のお蔭で何とか、ロジ部門も本部体制を立てる事ができました。役割分担は、HEMCは本部担当で、他チームは診療業務担当とし他には、厚生労働省と三重県庁のスタッフもリエゾンとして常に本部に24時間常駐して頂き、ヘリポートにはDrヘリが待機していたので、運転手と整備士が日の出から日の入りまで交代でシフトを組んで本部に待機していました。様々な組織と協力しサミット救護班活動をしていました。また県立志摩病院のDMAT隊員の新貝Drはじめ病院スタッフの皆さんにも協力して頂きスムーズな活動が行え、改めて横の繋がりの重要性を再確認しました。

また、毎日朝と夕方2回各拠点との打ち合わせを、WEBEXを使用してWeb上で会議を行っていました。WEBEXとはスカイプみたいなもので、各拠点がモニターに画像を映して、音声と映像を同時に送り、情報共有を行える最先端?のWeb会議で複数同時情報共有ツールとしては有用でした。川瀬副センター長、クロノロをリアルタイムに書いて頂きありがとうございました。

今回のサミット期間中、サミット医療班が県立志摩病院で診療した人の数は13人でした。

最後になりましたが、今回このようなサミット派遣の機会を与えて頂いた中山センター長、また今回の派遣を快く了承して頂いた古東技師長・新井課長はじめ放射線課の皆さん業務調整などして頂きありがとうございました。今回の経験をHEMC・放射線課に還元出来るように日々精進していきたいです。

追伸 伊勢志摩の皆さんは只今、サミットロス状態だそうです。次回日本での開催は8年後です。


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