マンスリーへむく ―現場の声―:2020年6月

マンスリーへむく ―現場の声―:2020年6月

感謝! COVID-19との闘い

センター長 中山 伸一

 まことにいやらしい性格を持つCOVID-19(新型コロナウイルス)の波が押し寄せて、はや4ヶ月を迎えようとしている。これまでHEMC職員の様々な努力によって、センターでの感染がくい止められていること、心から感謝をしたいと思います。
 思えば、2月の後半から感染の波が押し寄せてきました。感染症指定病院ではない当センターにおいても、必ず疑い例が入院して来ることが避けられないのは明らかだったので、HEMCの守りを固めるべく、センター業務をどうコロナ対応としていくかについて、3月12日の第1回を皮切りに 兵庫県災害医療センター新型コロナウイルス感染症拡大会議(このメンバーを課師長会と ICT のメンバーで組織)を招集し、初めは週3回、そして週2回開催してきました。そこで様々な問題・課題の洗い出しと対応策を協議し、3月に入ってそれを新型コロナウイルス対策BCP/マニュアルとして形にしてもらいました。改訂に改訂を重ね、6月3日現在で、なんと24版!
 ちなみに3月16日から兵庫県下の救命救急センター間で、COVID-19情報交換という連絡網を作り、それぞれの救命センターでのCOVID-19の患者の受入れ状況や課題などを情報共有してきました。そこでは、まず新型コロナを扱う病院とそれ以外の救命救急に主力を置く病院の間で役割分担をしっかりやろうという作戦が共有されました。つまり全ての救急医療機関が、COVID-19感染対応するのではなく、お互いに機能分担をして、役割分担をしようという作戦です。当センターはわずか30床の重症のみを扱う救命センターであり、もともと神戸中央市民病院や兵庫県立加古川医療センターが感染症指定病院であることから、原則としてCoronaの患者さんはそちらに、当センターはnon-Coronaの患者さんを担当することで合意しました。

 ただnon-Coronaに特化すると言っても、そこにコロナに罹患されているかもしれない患者さんが必ず混在してくることが容易に想定されたので、センター受入れから病棟までの診療の流れをどうするかについて、先ほど述べた会議で繰り返し協議してもらいました。6/19現在36例の患者さんが、検査所見・CT・病歴等々からCOVID-19感染の可能性を否定しきれず、 神戸市保健所に依頼してPCR 検査を実施してもらいました(結果的には陽性はそのうち1例だけでしたが...)。 ただ、PCR検査の結果が出るまではタイムラグがあるため、結果判明まではしっかりとしたPPEをつけて頂き、ICUの陰圧室での対応をお願いしました。こうして、職員各自のきっちりとした対応によって、救命救急センターの役目を果たせていると考えています。
 ところで、PCR陽性患者の入院先の調整を各地域のいわゆる保健所が担うことになっています。しかし、入院先の確保が圏域内でできない場合、調整に難渋するため、兵庫県では新型コロナウイルス感染症入院コーディネートセンター(CCC-Hyogo)という調整センターを県庁に設置しました(3/19〜)。その調整業務には調整能力に長けた医療人が必須なので、基幹災害拠点病院である当センターから川瀬副センター長とICTメンバーを中心に災害医療コーディネーターを連日投入することにしたのです(詳しくは、川瀬、桑原先生からレポートがあると思います)。加えて、EMISを使って県内各病院のCOVID-19の患者さんの数の動きを常にモニターしていました。毎日の入力はDMAT隊員(医師、看護師)、データ収集とグラフ化は事業課のメンバーで分担しました。こういったノウハウは、やはり当センターが創立以来、積み上げてきた様々な経験が活かされていると確信します。
 さあ、暑い夏が近づいてきました。今は小康状態ですが、これからもCOVID-19の戦いは続くでしょう。しかも今後、熱中症そして冬にはインフルエンザが混在してくるのは必至。さすがのHEMCの皆さんもストレスが溜っていることと想像しますが、ぜひご家族ともども健康管理・気分転換を上手にしていただき、みんなの知恵そしてチームワークで必ずこのウイルスとの戦いに勝利し、いつの日か心身ともに解放されて思いっきり騒げる日が来ることを強く願っています。