マンスリーへむく ―現場の声―:2018年12月

マンスリーへむく ―現場の声―:2018年12月

No. 2343 Sunday, October 21,2018

THE 14th APCDM HELD in GREAT SUCCESS

 KOBE,JapanーThe 14th Asia Pacific Conference on Disaster Medicine was held at Maiko Villa Kobe from October 16 through18 with 524 participants from 34 countries! ・・・・・・・・

 10月16日から18日にかけて、第14回アジア太平洋災害医学会が開催された。

 同学会は1988年に第1回大阪を皮切りにその後海外と日本を交互で開催され、前回のタイのバンコクに引き続き、今回は兵庫県災害医療センターの主催で開催された。1995年の阪神・淡路大震災の震源地近くの舞子ビラ神戸(神戸市垂水区)を開催会場とし、「Building Bridges for Disaster Preparedness and Response」をメインテーマに世界の災害医療関係者による活発なディスカッションが、世界最長の吊り橋である明石海峡大橋を眼の前に繰り広げられた。もとはと言えば、同学会を立ち上げた同センター顧問の鵜飼卓氏による強力な後押しと、この23年間に様々な進歩を遂げてきたわが国の災害医療に関して、日本から世界に向けてもっと発信できるはずだという兵庫県災害医療センター長中山伸一氏の熱意から実現した経緯がある。これまで阪神・淡路大震災の教訓にもとづいてDMATをはじめとする様々な取組みが繰り広げられているにも関わらず、日本から世界への発信は非常に数少なく、またそれらの試みが必ずしも標準化されていないため、グローバルには共有されないという残念な事態が生まれていることを問題視する中山氏は、本学会に世界各国から災害対応用の部品を持ち寄り、世界共通の部品として標準化して、災害時の大きな橋を皆でかけようという意味を込めてテーマとして掲げたと語る。そして、趣旨に賛同したWHO 神戸、 JICA などの関係機関と協力してシンポジウムやパネルディスカッションなどを企画し、わが国が国際的に貢献できる可能性についてアピールに成功した。

 国際学会初体験の日本の発表者を含め海外からの参加者からも、「手作りのアットホームな雰囲気に満ち溢れて心地よい学術会議で楽しかった!これからもチャレンジしたい。」という声が多く聞かれた。国際学会といえば大学以外が主催することは稀で不可能というのが常識。この学会主催そのものが冒険という声もあったと聞くが、兵庫県災害医療センターは小さな救命救急センターというハンディキャップをものともせずに、日頃から培ってきたセンター職員のチームワークとDMAT研修などによるヒューマンネットワークを活かし、見事に責任を全うしたといっていい。

 今回の会長である中山氏は、「神戸からとても意義ある発信ができた。最初、英語では・・・と腰が引けていた日本の友人も多かったが、いざやってみるとなかなかどうして、多少ブロークンな英語でも見事にやってくれていた。非常に高く思えた崖が、ジャンプしてみたら、あゝこんな高さだったのかとわかってくれたら、こんな喜びはない!とにかく国籍を問わず参加者の顔がみんな輝いていたことがうれしい。」と語る。

 同センターは1年3ヵ月後の2020年2月に日本災害医学会の主催をすることが決まっている。次回は、今回とまたひと味もふた味も違う、よりバージョンアップした災害医学会を震災を経験から誕生した小さな医療機関である兵庫県災害センターの職員のチームワークで実現して欲しいものである。