マンスリーへむく ―現場の声―:2017年6月

マンスリーへむく ―現場の声―:2017年6月

未来のHEMCメンバーと話してきました!

救急部 ○田 正太

先日開催された医学生、研修医対象の病院合同就職説明会に2日連続相棒○田先生と行ってきましたので報告致します。

話を少し遡ると、これまで当センターの外部アピールはさほど積極的なものではありませんでした。それもそのはず、基幹災害拠点病院かつ独立型高度救命救急センターである当院は、それだけで医師が集まる施設でした。DMAT研修施設や情報指令センター、ヘリを含めたプレホスピタルなど多くの魅力が散りばめられているからというのも大きいでしょう。しかし、昨今の専門医制度や研修施設条件などの整備といった影響から、今後救急医が恒久的に自発的に来てくれる保証はどこにもありません。こういった理由から、リクルートに少し力を入れる方向へシフトすべく昨秋の県立病院説明会で空前絶後の勧誘力を見せた○田・○田ペアが立ち上がったのでした。

まずは以前の資料についてですが、外傷とECPRがお家芸の当センターらしくこの二つが内容の多くを占めていました。近年の交通外傷の減少とともにオラオラ系救急医ももはや絶滅危惧状態となり、総合診療的救急医(以下、草食系救急医)が爆発的に増えているこの現代において、施設としてもう少しジェネラルな魅力も伝える必要がありました(もちろん外傷や心停止への戦略的治療などは発信しつつ)。また兵庫県災害医療センターという名称故、災害に関する研究施設であるとか災害にのみ対応する病院と勘違いされることもあるため、それらを払拭する必要性もありました。そこで、刷新した資料には、内因性疾患も豊富なこと、集中治療管理も学べること(今年度より集中治療認定施設)、災害時以外は高度救命救急センターであることを強調し、加えてメリハリのあるon-off、国内留学支援体制、バリエーションに富むシミュレーション教育・Off the Job Training、ひいては手広い学術活動(救急部のみで昨年度の学会発表50演題、うち海外8題。論文6本、うち英文3本;商業誌除く)なども魅せるようにしました。そして、研修医を対象とした救命救急関連の講義(20講義)や様々なプレゼンテーション能力を 養う意味でも有意義な朝、引き継ぎ、週間サマリーのカンファレンスなど、重症患者を介して初期・後期研修医を教育する当センターならではの体制が整っていることも念押しした、超大作の資料となりました。その枚数、な、な、なんと60枚超え!

初日の6月3日は県立病院群、4日はレジナビでそれぞれ勧誘を行い、いずれも将来有望な医師が話を聞きに来てくれました。中にはERやAcute Care Surgeryに興味を持つ先生もおられ、いい説明の機会になりました。松山先生から広島に戻る条件に『来年度以降の後期研修医の獲得』を提示されている○田先生も胸を撫で下ろしたのではないでしょうか。

僕の持論ですが、内因性疾患を診療する機会が多い通常ERで働いている救急医にこそこのような施設での修練が必要と感じます。ERを謳っているものの多発外傷や高エネルギー外傷を応需できていない施設は多々あります。しかし、中等度の外傷だと思っていても三次救急的な能力(緊急気道確保や蘇生的開胸術など)を咄嗟に求められる機会に遭遇することもあります。だからこそ、例え半年、1年間であっても三次医療機関で研修することは理に適っています。また、消防を含めたプレホスピタル、局所災害・自然災害をはじめとする救急医療をオーバービュー・オーガナイズする救急医としての幅が広がることが実感できます。もちろん、緊急手術が少ない施設の麻酔科医、外科系医師にもうってつけと思います。話をすることができた彼らには是非見学に来てもらい、そして、未来の当センターを背負ってくれていると嬉しいですね。

最後に、資料作成にあたり尽力下さった○藤さんはじめ総務課の皆様、ありがとうございました。