マンスリーへむく ―現場の声―:2017年2月

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マンスリーへむく ―現場の声―:2017年2月

全国6番目のHybrid ER だいたい 完成しました!

救急部 松山 重成

皆様、こんにちは。知ってる人は知っている、Hybrid ERがだいたい完成しました!
昨年のマンスリーへむくに

「Hybrid ERに見学に行ってきました~府立急性期・関西医大総合医療センター~」
「急遽!堺まで無影灯を見に行ってきました」

と2話書きましたが、今日がその完結編です。Hybrid ERの話がでてからおよそ1年、ようやく完成にこぎつけました。完成を記念して今日はその汗と涙の物語を(←嘘です)皆様にお届けします。

その①「Hybrid ER買うたる」

思い起こせば1年前、なぜか「Hybrid ER買うたる」と県の予算がおりる話が来ました。僕自身、Hybrid ERの存在は知っていましたが、少なくともヘムクに導入して自分で使ってみたいとは全く思っていませんでした。言い出しっぺは誰なのか?今だから明かしましょう。実は前事務部長の三村さんのご尽力によるものです。三村さん、ありがとうございました。

その②「本当に買うたる」

予算が確定するまでは箝口令を敷いていたのですが、年度が明けて確定したため導入にむけて本格的に準備を開始しました。まずは仕様書を策定して入札準備をすすめつつ、ワーキンググループを立ち上げ、石原副センター長を中心に救急部だけでなく放射線科、脳神経外科、循環器科を含む診療部、看護部、放射線科技師、薬剤部、ME、事務部と各職種からメンバーを招集し、6月13日に第1回Hybrid ER ワーキングを開催しました。

その③おさらい

Hybrid ERとはIVR-CTを初療ベッドとして備えた救急初療室のことで、搬入患者をIVR-CT台上で診療するため、蘇生を含めた初期診療からTAEやダメージコントロール手術まで患者の移動なしに行えることが特徴です。2011年の大阪府立急性期医療センターを皮切りに現在国内5施設で稼働中です。

JATECの理念に従えばPrimary Surveyをクリアしてvital signを確保したうえで初めてCTを撮れるわけですが、言い換えれば輸液輸血に反応しないショックでPrimary Surveyをクリアできない患者はPrimary Surveyの一環としてCTに行く前に初療室開胸・開腹・骨盤ガーゼパッキングなどを行っていたわけです。上級者編の話をすると胸腔内出血はレントゲンとFAST、腹腔内出血はFAST、後腹膜腔出血のうち骨盤骨折によるものはレントゲンで診断をつけられますが、最後のブラックボックスである高位後腹膜腔出血(腎・下大静脈損傷)はCT以外に確定診断をつけるすべがなかったため、出血源不明の出血性ショックで胸腹骨盤が除外されていれば、消去法で高位後腹膜腔出血をターゲットにやけくそで腹を開けるしかなかったわけです。口で言うのは簡単ですが、CTによる確定診断なしに単独の腎損傷を開けたことがある外傷外科医はほとんどいないと思います(少なくとも僕はありません)。

しかし搬入時からIVR-CT上でPrimary Surveyを行うHybrid ERでは、従来胸部と骨盤のレントゲンを撮っていたかわりに搬入10分後にいきなりCTを撮ることになります(従来は頑張って20~30分後、蘇生が長引けばそれ以上)。つまり蘇生と並行してCT診断を行うため、出血部位の同定と頭部外傷の評価を同時に行い、さらに患者移動することなしに速やかにTAEやDamage Control Surgeryなどの止血術や場合によっては止血術と穿頭血種除去の同時手術など治療のバリエーションが広がります。
この診断・治療の大幅なスピードアップとバリエーションにより、さらなる救命限界への挑戦を実践する場がHybrid ERなのです。えっへん。

その④ドサ回りの日々

ハードはいったん作ってしまうとそう簡単に作り直せないため、設計段階が勝負だと心に決めて、実際にHybrid ERを運用している大阪府立急性期医療センターと関西医大総合医療センター(旧滝井病院)に見学に行って、ハードはもちろん運用面としてのソフトのノウハウも存分にパクってきました。このくだりは前回・前々回記事に譲りますが、両施設を作った中森教授のグッジョブを2つご紹介します。

  1. 特大鉛ガラス・・・設計図をみるなりガラスの小ささにダメ出し。操作室から内部が良く見えるようにガラスは大きければ大きいほど良い。→ドア位置を変更して当初の2倍の特大鉛ガラスを導入。
  2. 医療用ガスの位置変更・・・上記のドア位置を変更するためには従来の医療用ガスが邪魔で無理と言われていたのを「全然無理ちゃいますよ、うち(関西医大)も医ガスの配管を移動して作ったんだから。絶対できますよ。」とその場で設計者に電話をかけて医ガスを移動させてドア位置を変える話を取り決めました。

まさに剛腕中森、彼のご恩はけっして忘れません。誰か関西医大に研修に行ってあげてください。

その⑤いよいよ突貫工事開始

設計が仕上がるのに6月から10月までえらく時間がかかりましたが、すったもんだで決まった後は一気に突貫工事でした。

  1. 旧透視室の透視装置を撤去して、今回ついでに買ってもらった新しいCTを設置
  2. いよいよ旧CT室のCTを撤去、自走式CT、天吊りのアンギオ装置、手術用無影灯その他、窓やドア位置まで変えてハコごとリハウス。年明けにその全貌があきらかに

9月から始めて12月末までにだいたいの工事を終了しました。その後は備え付けの棚やビデオカメラなどの設置やベッド回りの各種大物小物を順次納入中。なんと中森教授に教えてもらった特大サイズの患者固定マットはオーストリアから取り寄せ中。

その⑥シミュレーションの日々

だいたいハードが出来上がったところでHybrid ERとしての運用開始に先立って少しずつ運用を始めました。2月に入り、まずは入院患者の予定検査としてのCTや透視を開始。あわせて2月の1~3週に模擬患者を用いた9シナリオのシミュレーションを行いました。シナリオ作成はHybrid ERでの外傷診療というユメとチボーにあふれている中山(晴)先生。中山先生、お疲れ様。シミュレーション当日に不在だったことが多かったのが残念だけど、まあええか。その後第4週には日中搬入患者の来院時CTを撮影開始、そして・・・

その⑦「Hybrid ERつこたる~Hybrid ER completed!」

さる2/21 記念すべきHybrid ERの第一号となる外傷患者が搬入されました。入念な準備の甲斐あって大きな問題なく搬入13分でCTを撮り、腹腔内臓器損傷疑いで手術室での手術となりました。夜間の来院時CT検査も始めました。当直の技師さんがおよそ一回りする2週間後くらいを目標に夜間の外傷患者もすべてHybrid ER搬入を予定しています。