マンスリーへむく ―現場の声―:2014年11月

マンスリーへむく ―現場の声―:2014年11月

近畿2府7県合同の広域医療搬送訓練に参加してきました

                           脳外科 林 成人

この度兵庫県DMATとして救急部甲斐先生、放射線科西海さん、看護師柳瀬さん、高砂さんと一緒に10月19日に行われた近畿2府7県合同訓練に参加してきました。

前日まで

まず甲斐先生の声掛けで10月3日終業後ミーティングを行い、必要と思われる資器材の提案や、今後の予定、HEMCからのDMATはSCU本部作業に組み込まれる可能性が高いこと、などを確認し、その後はメールベースでの各自情報をチェックしました。私自身は6月にDMAT養成研修を受講したばかりとは言え訓練とはどんな様子か想像もつかないので、復習もかねて18日にDMAT養成研修4日目のSCUシミュレーションを三木で見学させてもらいました(事前に岡田さんにお願いしましたら快く了承いただけました)。なんとかなるやろ、と開き直って同日18時よりHEMCに全員集合し資器材の最終準備・確認・ドクターカーへの積み込みを行いました。皆がアイデアを出し合い、万全の準備ができました。

出発

19日は朝4時30分にHEMCに集合、暗い中、守衛さんに見送られながら出発して一番乗りで八尾駐屯地に到着しました。刻々と変わる朝焼けの駐機場に羽を休める、迷彩色のCH-47(御嶽山の映像でも映っていたプロペラが前後2つにあるヘリ)と整備員達を背景にして、各々撮影タイムを楽しみました。

滋賀、京都、大阪、奈良のDMATが順次到着し、6時半の定刻通り機体の傍に移動、中央の日の丸マークより前に行くとプロペラにあたって死にます(!!)など簡単な説明を受けた後、緊張の面持ちで各隊大荷物と一緒にアイドリング中のCH-47後部タラップから機内に誘導されます。DMATだけでなく滋賀県警機動隊員や呉海上自衛隊からの大きな救助犬2匹も乗り込みました。

 

エンジン音がひときわ大きくなり、リズミカルに機体が振動して動きだすと犬たちもきょろきょろしだし、思わず調教員の指を噛んでしまった様子。柳瀬さんがガーゼを渡してあげてさっそく機内救護活動をされました(笑)座席の前後にはいかにも航空自衛隊といったヘルメットの隊員が終始監視・確認作業を怠らず、プロフェッショナル感十分でむしろ安心して移動できました。

SCU活動

  

南紀白浜の旧空港に着陸し、荷物を抱えてタラップをおります。遠巻きに報道のカメラやマイクが一斉にこちらをむいていて、訓練の注目度の高さに改めて気がひきしましりました。自衛隊車両で南紀白浜空港SCUに移動し、本部スタッフに合流しました。甲斐先生が副本部長となり、高砂さんはクロノロ補助、西海さん、柳瀬さん、私はSCUの受付を受け持つこととなりました。私も柳瀬さんも初めての作業で、途中情報入力不十分な項目を後で修正するなど失敗もありましたが、西海さんの細やかな指導で何とか大きな滞りなく対応できました。 

この日は快晴で、格納庫の入り口に設置された受付部署はちょうど外の明るさと室内の影との境にあって、暑さ、まぶしさと闘いながらPCの画面に目を凝らすといった様子でした。

 

SCUにはDMAT隊員以外に自衛隊員やその映像記録班らしき人達、報道関係者、模擬患者、消防、救急関係者、空港関係者、コントローラーなど様々な人が出入りします。まもなくSCU内の多くの人が(模擬患者さんまでが)格納庫前に一斉に出ていきます。どうしたどうした、と思っていますと、左側の滑走路上にオスプレイが降りてきて、ゆっくりと格納庫前の駐機場にやってきました。2機目も到着し、横並びの話題のオスプレイを至近距離から見ることが出来ました。遠く空港の展望台には柵いっぱいに大勢の見物客が来ています。アメリカ人パイロット2人がカメラやマイクに囲まれて時間をかけてSCUに歩いてきます。受付のわれわれの前で報道人に囲まれて和歌山DMATの人たちと握手したりヘルメットをかぶせて記念写真を撮ったりするなどサービス満点でした。30分ほどそうした盛り上がりのあとオスプレイは再び滑走路へ移動し、少し走って飛んでいきました。

その後も模擬患者の搬入が続き、皆、適宜水分、カロリー補給などしつつ訓練が続きます。忙殺されるということはなく12時過ぎには撤収作業に入りました。13時前にはSCUを出て再度CH-47で八尾駐屯地へと帰り、16時ごろHEMCに到着。資器材の片づけ、振り返りを30分ほどして、解散となりました。

振り返って

 

「広域医療搬送訓練」というように、訓練のメインは人・ものの動きをシミュレートすることなのだ、と改めて理解しました。災害時では様々な想定外があるはずですが、平時の訓練だからこそ同じ搬送でも情報伝達にも過不足のない質の高いperformanceが求められるはず。個々のDMATのスキルアップが大切だと思いました。今回参加できてこのような意識をもてたのが一番の収穫でした。

また当日だけでなく、前準備や振り返りも大事な訓練でした。当センターはいろいろ恵まれた環境にあると思いますので、これからも積極的に活用していきたいと思いました。

甲斐先生、西海さん、柳瀬さん、高砂さん、事務の方々に助けていただき無事訓練ができました。ありがとうございました。