平成19年度1期(4月から6月)

甲斐 聡一郎 (神戸赤十字病院から)

1. 3ヶ月で行った処置及び手技

手技内容4月5月6月
気管挿管72110
気管切開1(*1)012
動脈ライン確保810826
中心静脈ルート確保1113
骨髄ルート確保0101
胸腔穿刺1113
気管支鏡2158
電気的除細動1102
DPL01(*1)01
開胸心マッサージ0011
ドクターカー同乗出動12(*2)56(*3)23
ドクターカー転院搬送0134

(*1) 手技の見学のみ
(*2) 複数傷病者による単独搬送1例, ドクターカー定員オーバーによる単独搬送1例を含む
(*3) 当院へ患者搬送中の救急車のタイヤパンクによるドクターカー出動要請1例を含む

2. プレホスピタル・初療担当のうち印象に残った症例

院外CPA 8例(溺水、CO中毒、緊張性気胸、縊頚、不詳4例)、CPA蘇生後2例(ともに誤嚥窒息)、腹部刺創 2例、胸部刺創 1例、アナフィラキシーショック&Pseudo VT 1例、熱傷 1例、3ヶ月小児痙攣、6歳小児交通外傷

3. 入院担当症例 31例

内訳:4月9例/5月14例/6月8例
内因性疾患10例
重症肺炎、消化管出血、胃潰瘍穿孔、痙攣発作、意識障害、腸腰筋膿瘍、薬物中毒、感染性大腸炎、敗血症性ショック、脳髄膜炎 外因性疾患21例 四肢多発骨折5例、切断肢 1例、肝損傷 1例、熱傷2例、頭部外傷 5例、骨盤骨折 4例、頸髄損傷 4例、腹部刺創 1例、フレイルチェスト 1例、血気胸 1例

4. 学会/講習会/講演会参加記録

第11回顎顔面手術手技研究会
基調講演「新しい創傷治療-「消毒とガーゼ」の撲滅を目指して-」夏井 睦先生
臨床救急医学会
日本熱傷学会
臨床救急医学会ジョイントJPTECコース*
* ICLS, ISLS, JATECコース受講済み。ITLS Advancedコース受講予定(7/21,22)。

5. 感想

当センターでの研修は3ヶ月間という短い間でしたがお世話になりありがとうございました。これまでの臨床研修ではあまり経験できなかった重症患者の管理や、ドクターカーでのプレホスピタル活動など貴重な経験をさせていただきました。
また臨床救急医学会、日本熱傷学会への参加それからDMAT研修見学(傷病者役)など病棟業務以外での研修にも積極的に送り出していただき大変勉強になりました。こちらで得た経験を是非今後に活かしていこうと思っております。
ご指導いただきありがとうございました。

大類 隼人 (兵庫県立がんセンターから)

経験手技

手技内容4月5月6月
気管挿管1214
中心静脈穿刺3238
手術介助3306
胸腔穿刺1113

経験症例

電撃症 1例  重症熱傷 2例
腎外傷 1例  脾損傷 1例  肝損傷 2例  外傷性気胸 3例
胸部刺創 横隔膜損傷 2例 (うち1例 胸腔内腸管脱出)
腹部刺創 3例  頸部切創 1例
外傷性小腸穿孔 1例
腸重積 1例
マロリーワイス症候群 1例
脊髄損傷 2例
外傷性くも膜下出血 3例
急性薬物中毒 3例(全て眠剤+抗精神病薬)
急性アルコール中毒 1例
心不全 4例
重症肺炎 1例
溺水 1例
四肢・肋骨骨折 15例
骨盤骨折 3例

感想

癌センターから出て、今まで自分が勉強したいと思っていたことを少なからず学ばせて頂きました。確かに思い返せばまだまだ努力が足りなかった部分は多かったと思います。3ヶ月の選択をしましたが、短い期間だったとはいえ、いい先生方・スタッフと環境に恵まれ、本当にいい勉強と経験ができたと感じています。今思えば6ヶ月勉強させていただいていればよかったかなーとも思うんですが…。
この先も、この得た経験を反芻し、自分の未熟さもみつめ、生かせるように頑張って行きたいと思います。感謝しております。ありがとうございました。

北見 真帆 (兵庫県立尼崎病院から)

処置・手技

手技内容4月5月6月
気管挿管020
気管切開000
胸腔穿刺(簡易キット)010
中心静脈穿刺144
Picco/Aシース01/1/1
手術介助334
ドクターカー同乗164

経験症例

(初療及び入院、入院のみ、初療のみを含む)
外傷31(うち、脊髄損傷4、重症頭部外傷2、溺水1、腎損傷1、消化管穿孔2、脾損傷1、熱傷4、縊頚1、刺創3)
心不全2、急性冠症候群2、消化管出血4、低血糖性昏睡1、脳梗塞1、脳出血1、麻疹疑い1、急性膵炎1、腸腰筋膿瘍1、急性喉頭蓋炎1、敗血症1、肺動脈塞栓1、消化管穿孔1、薬物中毒3
うち入院33

感想

研修目標として人工呼吸器とCHDFを扱えるようになりたいと思っていました。人工呼吸器については大まかにつかむことができたかなと思います。CHDFは研修開始当初よりは理解できたものの、一人で動かせるところまでは到底とどきませんでした。もう少し
積極的にいければよかったと反省しています。
手技に関してはAライン、CVは必要症例を見極めながら今後も積極的に行っていこうと思います。気管切開とトロッカー留置を行うことができなかったことが悔やまれます。
外傷については全く知識のない状態から、創処置の実践や手術の手洗いまでをさせて頂き、勉強になりました。このような指導をしていだける機会は、今後望めないと思われます。本当に貴重な経験となりました。
また、専攻医の先生や同期の研修医からは感染症に対して検鏡するという姿勢も学びました。今後も続けようと思います。


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